八代では、もうフジが開花を始めている。
まだ満開ではないが、半分程は咲いているようだ。
とはいえ、フジは2ヶ月くらいに渡って咲き続けるため、見頃は長い。気長に満開を待つのが良いだろう。
さて、フジは花を咲かせるのがなかなか難しい植物である。
放っておいても咲くという話を聞いたことがあるかも知れない。確かに放っておけば咲くが、大体の人は、夏の1番ツルが伸びる時期に切ってしまいたくなるものだ。
ここに落とし穴がある。
フジは、夏に剪定をしてはいけない。
適期は、花が終わりかけの5月下旬~6月頃と、落葉後の12月~2月だ。
6月以降になると、もう花芽が形成されているため、剪定してしまうと来年の花が咲かなくなる。夏の剪定は我慢だ。
しかし、落葉すれば膨らんできた花芽が見つけやすくなるため、それを避けて切る事ができる。
夏に伸びすぎて困ったフジは、落葉後に切ろう。
次の年に綺麗な花を咲かせるコツは、6月までの剪定の時に、花ガラを全て取り除く事だ。
まだ咲いている花であっても、取ってしまうのが良い。
これは全ての植物に言えることだが、花ガラが残っているとそれを維持するのにパワーを使ってしまい、次の花を付ける体力が減ってしまう。
終わりかけの花を取ることで、次々と新しい花を咲かせるのだ。パンジーやビオラなどは、分かりやすく花の数が増えていくのでなかなか楽しい。
フジといえば、あの大流行したアニメ、鬼滅の刃で重要な役割を果たしている。
フジの毒が鬼に効く、というものだ。
実際、フジには毒があるのだが、その他マメ科の植物には大体ある。マメ、鬼というと節分を思い出す。
大豆などの食用とされる豆にも毒はあるのだが、しっかり加熱することによってきれいさっぱり毒は抜ける。
まあ、食べてもお腹を壊したり吐いたりするくらいだとは思うが、要注意である。
ところで大里造園の従業員には、鬼が1人いる。
まだ24歳という若さであるにも関わらず、素晴らしい技術を持った青年であるが、指導が鬼のように厳しいのだ。
獅子は我が子を千尋の谷へ落とす、ということわざがあるが、まさに彼の指導方法を指す言葉である。しかし、獅子というよりは完全に鬼である。
そんな彼が、先日フジの名所へ行ってきたらしい。鬼が自ら藤襲山に飛び込んだというわけだ。
これで少しでも彼の中の鬼が逃げ出しますように…と思わずにはいられないのであった。
fuuka