大里造園は、創設者が奄美大島出身である為、奄美から持ってきたソテツの木が何本もある。
ソテツから始まった会社と言っても過言ではない。
残念ながら創設者は去年の暮れに亡くなってしまったのだが、残されたソテツは生き生きと育っている。
ソテツはとにかく痛い。
葉と幹に、鋭いトゲがある。
私の1歳の娘は会社敷地での外遊びが好きなのだが、ソテツの近くに行こうとした時は少しヒヤヒヤする。
なんせ、ソテツは大幹の根元や途中から子株を出すため、娘の目の位置に葉のトゲがある事も珍しくない。
ソテツで失明なんて、馬鹿らしいにも程がある。
また、ソテツには毒性もある。
戦時中、暖かい地方の人々は食べるものがなく、仕方なくソテツの実を齧っていたそうだ。
しかし、その毒性により、腹を下したり、嘔吐したりする者が後を絶たなかったそうだ。
最悪、死に至ることもある、厄介なものである。
しかし、立派に育ったソテツというものは大変美しい。
ツヤツヤとしなやかな葉っぱ、どっしりとした幹、園芸初心者でも比較的増やしやすいのが魅力である。
オスとメスで花の形が違うのも、新芽はふわふわと可愛らしいところも愛嬌があって素敵だ。
モダンな住宅など、大きめの石と組み合わせるとその美しさは倍増する。
室町時代の日本で流行ったそうだが、また再ブームが来てもおかしくないのではないかと思っている。
fuuka