大里造園の敷地には造園屋らしく様々な樹木が植えてあるが、3月も終わりに近づくと、一際目を引くピンク色の花がブリブリと咲いているのが目に止まる。
それがこのハナズオウである。
ハナズオウはマメ科の植物で、マメ科らしく花が終わるとサヤをぶら下げる。
確かに小さな花をよく見てみると、同じマメ科であるフジと似た形の花を咲かせているではないか。
マメ科と言うからには食べられそうだが、このサヤは、毒があったりなかったりとサイトによって情報がマチマチであるため、まあ食べない方が無難である。
ハナズオウは、葉が出るより少し早くに花をつける。
多くのマメ科植物は羽状複葉である事が多いが、ハナズオウの葉は丸っこいハート型をしている。
ハート型の葉を持つ樹木は、他にカツラやマルバノキ等があるが、1度、これらを植えて欲しいという依頼が来たことがある。
その依頼主というのが、心臓病の治療を得意とするクリニックの医者だった。
なんでも、病院を立て替えたのでいっそ庭木も新しくしようと、今までの樹木を全て取払ったそうだ。
心臓病の先生が、ハート型の葉をつける植物を選ぶとは、なかなか粋なものである。
fuuka