あなたには、自分の持っていた固定概念が崩れた瞬間があるだろうか。
私にはある。
ナギというとても美しい葉を持つ樹木がある。
私の地元山口県では、自生しているナギは天然記念物になっており、少し珍しい樹木だ。寺や神社等によく植えられている。
このナギ、一見すると常緑広葉樹である。
葉っぱの幅が広いものは、大体広葉樹であろう。
…と思っていた
しかし、実はこのナギ、針葉樹なのである。
これには驚いた。葉の幅が広い=広葉樹という概念が崩れた。
確かに、葉をよく見ると葉脈が真っ直ぐに伸びており、破ってみると縦にピリピリと裂ける。なるほどこれは、広葉樹では見られない特徴だ。
さらに私を驚かせたのは、ナギはマキ科の植物だということだ。
マキといえば、前回紹介したあのイヌマキの事だ。
あれの仲間とは、なんとも興味深い。
私は自分の思い込みの中で植物の分類を無意識に行っていたのだ。
ナギは幸せの木とも言うらしいが、私の間違った概念を世に晒し、恥をかく前に正せたというのは、この上ない幸運であったと言えよう。
fuuka